コンタクトレンズを洗浄しても、レンズケース内の保存液を毎日替えなかったり、汚れたレンズケースを使用するなどをしていませんか? どんなにレンズをきれいに洗浄しても、レンズケースが細菌やカビの温床になっていては意味がありません。
最近のレンズ洗浄は、MPS(multi purpose solution)と言って、洗浄、すすぎ、保存、消毒を1液で行うことのできる消毒液が一般に使用されています。 便利でいいのですが、以前使用されていた煮沸による消毒よりは消毒の効果は劣ります。 このMPSに浸したまま、置いておき数日してレンズを装着するという人がいますが、数日たってしまうとその効果はなくなり、細菌やカビが繁殖してきます。 消毒薬は毎日替えましょう。 レンズケースは毎日洗浄し乾燥させ、ときどき新しいケースに交換しましょう。
右図は、コンタクト使用による眼障害の原因を示したものです。不適切なケアによる障害が3分の1を占めていることが分かります。
ケアを怠った場合、-怠らなくてもまれには起こることはありますが- の顛末をお見せしましょう。
アカントアメーバ(左図)、ブドウ球菌(右図)による角膜感染症の例です。
治療により、細菌やカビを殺しても、角膜の中心部に大きな濁りを残し、視力は大幅に低下し、元の視力を取り戻すことはありません。
コンタクトレンズによる、目の障害は若い方に多いようです。 カラーコンタクトは、インターネットなどで簡単に購入できるため、正しいケアの仕方を教えてもらうこともなく、当然のことですが定期的に眼の検査は受けることがないため、こう言った感染症をお起こしやすいのです。 この写真を見て、怖いと思っていただければ、少しは、コンタクトレンズによる眼の障害が減るのではないかと期待しています。
(グラフ、写真は日本眼科学会HPより抜粋しました。)